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胃癌

胃粘膜より発生する悪性腫瘍で腺癌が90%以上であり、粘膜あるいはその深部の粘膜下層にとどまる早期胃癌とさらに深層である固有筋層まで浸潤した進行胃癌に分類されます(写真1)。危険因子は、ピロリ菌感染、継続的な食塩の過剰摂取、喫煙などです。

粘膜内癌あるいは浅い粘膜下層までの胃癌は、内視鏡的粘膜切除術(Endoscopic mucosal resection :EMR)あるいは内視鏡的粘膜下層切除術(Endoscopic submucosal dissection: ESD)で治療を行います。適応は厳格にきめられており、専門的になりますが以下に記載します。「EMR/ESD の絶対適応病変は,「長径 2 cm 以下の UL0 の肉眼的粘膜内癌(cT1a),分化型癌」,拡大適応病変は,「①長径 2 cm を超える UL0 の cT1a,分化型癌,②長径 3 cm 以下の UL1 の cT1a,分化型癌,③長径 2 cm 以 下の UL0 の cT1a,未分化型癌」[UL0: 潰瘍(瘢痕)がないUL1:潰瘍(瘢痕)がある]とガイドラインできめられてます1)。一部の粘膜下層浸潤癌は許容されますが、それ以外の胃癌は手術療法、進行度あるいは遠隔転移の有無によっては抗癌剤治療を行います。

若年層では、ピロリ菌感染者の減少によりピロリ菌関連胃癌は近い将来減少するかと思われますが、一方最近、内視鏡機器の精度向上、拡大内視鏡や特殊光を使用することにより診断能力が向上し、ピロリ菌陰性胃癌が多く発見され注目されています。

ピロリ陰性胃癌は、ピロリ未感染胃癌とピロリ除菌後胃癌をいいます。ピロリ除菌後胃癌は前述しましたが(萎縮性胃炎を参照してください)、除菌後の胃癌のリスクは低下しますが、リスクは残るので年1回の胃カメラの検査をおすすめいたします。

ピロリ未感染胃癌は、発生部位によりいくつか種類があります。胃底腺型胃癌、腺窩上皮型高分化腺癌、前庭部の高分化腺癌、腺境界に好発する印環細胞癌などがあり、いずれも特徴的な所見があり、専門医による高度な診断が必要になります2)

1)日本消化器内視鏡学会雑誌 2020. 62(2):275-290
2)消化器内視鏡 2022.34(2):160 -167

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