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機能性ディスペプシア

機能性ディスペプシア(Functional dyspepsia: FD)とは、機能性消化管障害Functional gastrointestinal disorder: FGID)の一つであり、食道胃十二指腸鏡検査(胃カメラ)で、胃潰瘍、胃癌などの器質的病変がない、消化管感染症がない、またその他、胆石、膵癌、膵炎などの肝胆膵臓器に何も異常がないにもかかわらず、胃もたれ(食後飽満感)、食事の途中で満腹になる(早期飽満感)あるいは胃痛(心窩部痛)が出現する疾患をいいます。大きくわけて食後愁訴症候群と心窩部痛症候群および混合型に分類されます。また胃食道逆流症あるいは過敏性腸症候群が同時に起こる(オーバーラップ)ことがあります。

原因は多岐にわたりますが、① 加齢による変化(思春期、更年期、老年期など) ②外的変化(気温、気圧の変化や引っ越しや転職による環境変化)や内的変化(精神的な不安や環境変化)③過度の緊張や不安感(会議や試験前など)④はげしい感情の動き(家族の死、別居や離婚など)➄過度な疲労(仕事による心身の不調)により消化管をつかさどる自律神経の乱れがおきます。また大きく分けて、食生活習慣の乱れなどによる器能性(適応性弛緩障害、胃内容排出遅延、内臓知覚過敏)、ストレスによる心理的催奇による気脳性があり、この両者が原因となります。個人差がありますが、どちらかの原因が偏って強く影響していることがあります。

他の医療機関で検査を行い、異常がないと診断され、投薬治療にもかかわらず胃もたれや胃痛が継続し、その理由や原因がわからないことによりストレスがさらに増加して症状が悪化することもあります。このようなご不安をお抱えの方あるいはお悩みの方はFDの可能性があります。FD症状がある方は当院に来院され、詳しいご説明、生活指導と投薬治療をいたします。十分なFDの病態や原因について理解を深めることは症状の軽減につながります。

1) 胃の機能性ディスペプシア 2020年5月 中田浩二 文響社

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